FROM ATELIER

日本の伝統文化 着物の代表的な柄である江戸小紋にまつわるお話をお届けします。


私たちは普段「洋服」を着て生活をしています。
日本の「着物」は、本来「着る物」という「衣服」の意味で使われていましたが、
幕末に西洋から入ってきた「洋服」に対して、
従来日本人が着ているものを「着物」や「和服」と区別するようになったようです。


Pao de loでは、馴染みの無くなりつつある
日本の伝統的な文化の着物の代表的な柄である
「江戸小紋」を「富田染工芸」の方々の大変なご協力を頂き
ご紹介させて頂きます。



富田染工芸さんの工房は
広重の江戸百景にも描かれている神田川の面影橋の近く。



「 江戸 」


大きなビルが立ち並ぶ現在の「東京」は、
今から400年以上前には、すでに江戸幕府が統治していた大きな都市でした。
当時、大名たちが身に着けていた裃(かみしも)に、繰り返し同じ柄を描く
「小紋」という柄が使われていました。
やがて大名間で、柄の豪華さを競うようになりましたが
幕府からの規制がかかり、”遠目には無地に見える”けれど、
近くで見ると細かい柄が描かれてある「江戸小紋」が生まれました。

家紋のように大名ごとに決まっていた柄を「定め小紋」や「留め柄」といい、
庶民も小紋をまねるようになりますが、こちらは洒落のきいた遊び心のある
生活に根付いたモチーフが多い。


江戸小紋は型紙を使って染められるのですが、
この型紙は江戸でつくることができず、伊勢で作られているので伊勢型紙と呼ばれ
錐彫りや道具彫りという手法で、今でもすべてが手作業で彫られています。
柄が細かければ細かい程に、型を作ることがとても難しく、
また生地に色を載せる作業も高度な職人技が必要とされます。


着物の生地は一着作るのに12~13メートル(一反)使用するのですが、
約7メートルもある板に生地を両面張り付けて、
型がずれないように防染糊を載せていきます。
この針の穴を合わせるような柄合わせを数十回繰り返し行う事がとても大変な技術です。

防染糊が乾いたら生地全体を染め上げます。
色のついた糊を、機械を使って生地全体に載せていきながら
おがくずを一緒に巻き上げます。

地色糊が乾かない間に、木枠に蛇腹状に生地をセットし蒸箱で生地に色を定着させます。
蒸上がった生地は余分な染料や糊を落とすため洗います。
昭和38年までは前を流れる神田川で洗っていましたが、現在は地下水を汲み上げ
水を噴射して糊を落とす機械を使っています。


これまでの工程も大変なものですが
Pao de loでは、本来は着物の生地である絹に染め付ける江戸小紋を
身近に着て頂きたいと思い、綿に染めて頂けないかと打診しました。

それも ”江戸小紋の特徴である柄の繊細さはそのままに ”

これは前代未聞の難関で、染料、糊の成分、
温度、蒸時間など全ての工程の調整が必要で、
絹と同じ型を使えないのと、
着物の生地の幅では細すぎなので、服のデザインに合わせて
特注で型紙を彫って頂きました。

そして、綿とは思えないほどの上品なツヤのある
素敵な生地ができあがりました。


ほとんどの方が人生の中で触れる機会の少なくなった着物に、
少しでも興味を持っていただき
希少になってしまった日本の伝統工芸の匠の技を
特別な日ではなく、日常に取り入れて
心豊かに過ごせるお手伝いになればと思います。

途中で挫折しそうになりながらも
携わってくださった方々のご協力のおかげで
素敵なものができあがりました。

富田染工芸様、タキヒヨー(株)の方々
本当にありがとうございました。

Pao de loでは今回ワンピースとブラウスの2型をご用意しました。

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